続いて、記事 監査法人 交代の場合の一般的な流れ ①ご説明 の、
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③ 新監査法人から現監査法人へ、
「監査調書閲覧等、監査業務の引継に関するお願い」を送付。
の際に、「監査調書閲覧等、監査業務の引継に関するお願い」 を作成します。
新監査人は、監査人に就任するに先立ち、当該監査対象の会社が監査を受けられる体制にあるか等を評価する必要があります。
他方、前任監査人には従来、現在、そして将来も、守秘義務を守ることが要請されています。
そこで、後任監査人の引継ぎ作業に限定して、その守秘義務を解除するよう、監査クライアントが前任監査人に指示する必要が生じます。
1枚目
平成**年6月24日
****監査法人
指 定 社 員 ** ** 殿
業務執行社員****監査法人
指 定 社 員 ** ** 殿
業務執行社員京浜晃和監査法人
代表社員 嶋矢 剛 殿
公認会計士監査調書閲覧等、監査業務の引継に関するお願い
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたび貴監査法人より****株式会社の監査業務を引き継ぐこととなりました。誠に恐縮ではございますが、「監査人の交代」(監査基準委員会報告書 900))に基づき、****株式会社の平成**年3月31日に終了した事業年度に関する監査調書の閲覧とこれらに関連する質問にご回答いただくようお願い申し上げます。
当法人が監査調書を閲覧させていただく目的は、****株式会社の情報及び平成**年3月31日に終了した事業年度の貴監査法人の監査の結果を入手することにより、****株式会社との監査契約の可否の判断及び円滑な監査業務の引継に役立てるためであります。したがいまして、当該目的に関連した監査調書を閲覧させていただくものであり、また、監査調書の閲覧によって知り得た情報を、他のいかなる目的にも利用しません。なお、****株式会社は、当法人が、貴監査法人の監査調書を閲覧させていただくことについて承諾しております。
日時は貴監査法人のご都合を最優先いたします。後日、お電話でお伺いさせていただきたいと存じます。
敬 具
2枚目
閲覧させていただく監査調書とご回答いただきたい質問は、主に、「監査人の交代」(監査基準委員会報告書900)に掲げられた以下の項目であります。追加させていただくこともあるかと思いますが、ご容赦願います。
(閲覧させていただきたい監査調書)
(1)実査、立会、確認等、貸借対照表項目における期末残高の妥当性に関連する監査調書。
(2)監査計画、内部統制、監査手続の実施結果(財務諸表全体に対する最終的な意見形成の判断過程を除く。)、その他会計や監査に関する重要な事項(貸借対照表項目、偶発事象等)に関する監査調書。
(ご回答いただきたい質問)
(1)経営者の誠実性について疑義があるか否か。
(2)経営者から特定の報告内容を要請される等、意見表明における独立性を脅かす圧力があるか否か。
(3)監査人の交代事由に関する貴監査法人の見解。
(4)被監査会社に都合の良い監査意見を求めている兆候があるか否か。
(5)会計処理、表示及び監査手続に関して被監査会社との間に重要な意見の相違があるか否か。
(6)経営者による不正若しくは従業員による重要な不正が存在している、又は兆候があるか否か。
(7)重要な違法行為が存在している、又は存在している可能性が高いか否か。
(8)重要な訴訟事件に関わっている、又は関わっている可能性が高いか否か。
(9)財務報告に係る内部統制に重大な欠陥があるか否か。
(10)継続企業の前提に関する問題が存在するか否か。
(11)監査の実施に必要な資料が提供されないなど、監査業務への協力が得られない可能性が高いか否か。
(12)過年度において、最終的には訂正されたものの監査の過程で発見された重要な虚偽の表示があったか否か。
以 上
問合せ先: 〒160-0023
東京都新宿区西新宿3-5-* ***
京浜晃和監査法人
TEL:03.4405-7190
携帯 :090-****-****
担当者:嶋矢 剛
続いて、③ 会計監査人就任承諾書 について、説明いたします。
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