ここでは、「社長にとっての監査法人選び」、を考えてみたいと思います。
結論から言うと、社長が監査法人を選ぼうと手間をかけるのは、時間の無駄です。社長業にとって、監査法人はプラス要因が無い意味で、役に立たない外部業者だからです。
「公認会計士は、経済社会の番人っていうんだろう?他の上場会社をたくさん見ているのだろうから、日本経済のトレンドについての知見をききたいなあ」「当社の取引先になりそうな上場会社を紹介してほしいなあ」などと思われたら、、、全く、的外れです。
上場会社の監査を担当する監査法人と、その監査チームは、上場会社の開示と監査ばかりを四六時中やっている人種です。
扱う数字は、決算数字ですから基本的に過去の情報です。過去の情報を、ああでもない、こうでもない、とやっていることを仕事にしています。過去から未来を推定することは、繰延税金資産の回収可能性や減損などの会計処理や、継続性の前提の検討などの局面では確かに検討はしていますが、それは日本経済のビジネスのトレンドという類とは異なるものであり、基本的に、ビジネスマンが志向する「過去から未来を推定すること」はは、殆どしていません。
それでも、会計士自身が、せめて株式投資でもしていれば、世間の平均的なビジネスマン程度に経済の潮流についてコメントできるかもしれませんが、、、独立性の縛りで、株式取引は禁止です。
せいぜい、日経を毎日読んでいる、WBSの トレたま を覚えている、程度でしょうか。
そんな人種に、ビジネスの話なんぞ、できる訳がありません。
また、受注先の拡大についても、平成10年前後までは、気の利いた社員等はかようなアクションもしていましたが、今は独立性、守秘義務等でがんじがらめですので、そのような貢献をする会計士は皆無と思います。
以上の意味に限れば、社長にとって、監査法人、公認会計士は全く役に立ちません。したがって、社長業の視点からは、関心もない → 特に注文もない、はずです。
ですので、経理部長、監査役が、出入りの業者を選定するのと同様に、「対応の細かさ、速さ」、「専門的能力」、「コミュニケーション」、「コストベネフィット」等を総合的に勘案し、適切に選んだ人だと説明を受ければ、、、社長に特にコメントはないはずです。
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