上場会社の監査法人の交代、会計監査の実務などを解説しています。

困った監査人③ - JSOX監査実務を知らない会計士が、結構いる理由

中小監査法人の公認会計士の中には、実は、JSOXをきちんと回した経験がない、JSOXに関与した経験がない、という公認会計士が、実は結構います。

大手の監査法人のOBだという会計士であっても、以下に紹介する理由で、実はJSOXを仕事でやったことが無いという会計士は、実は結構います。

経理担当者としては、このような人を監査法人の窓口に、JSOXの評価及び監査を協議してしまうと、「とんでもなく仕事量が増えてしまう」、「とんでもなく手戻り仕事がふえてしまう」という被害を被ってしまいますし、経理担当者本人以外の会社の人も巻き込んでトラブルになります。

そのような会計士には、「私はJSOXは分かりませーん」と最初にカミングアウトしてもらうか、それこそ胸からバッチをぶら下げてもらえればいいのですが、中には、自分勝手な知識で、間違ったことを答えてしまう行動に出る人がいます。

以下に、私が、監査法人の交代時などに見聞きしました、「JSOXを知らない会計士」の例をご紹介します。

例ですので、これに該当すると即、JSOXを知らない、ということには決してなりませんが、皆さまが対応する会計士の知識に疑義が生じましたら、以下の点をチェックして頂くのがよろしいと考えます。

 

平成20年以前から、ずっと中小監査法人にいる公認会計士、平成20年以前に、大手監査法人を退職している、税理士兼公認会計士

平成20年とは、JSOXが導入された年です。

実は、JSOXに限らず、会計・監査の実務は、大手監査法人で標準化されます。

その理由は、日本の会計・監査の新しいルールは、海外のルールを、時差を経て輸入している事情があります。

つまり、日本に初めて導入される会計・監査のルール・実務は、海外では経験済であり、では海外ではどうやっているのかというと、海外のルール作りは、海外のビック4と呼ばれる会計事務所が担っています。

もちろん、日本公認会計士協会でも、中小監査法人向けに、「委員会報告」、「研修」、を実施したりしていますが、実務の落としどころ、レベル感というものは、そのようなものからは伝搬されません。「百聞は一見にしかず」なのです。

平成20年以後に、大手監査法人で、JSOXの実務を経験していない会計士には、この、「百聞は一見にしかず」がないのです。

また、このような公認会計士は、JSOX導入時に、実務の標準が固まらない中で、JSOXコンサルティングなどをやっていた方もおられます。

そのような方は、後述する、簡素化の実務を知らないので、今時点では時代遅れの知識を、自分は正しいと信じて自信たっぷりに今でも流布していることもあります。(見かけたことが有ります)

 

平成21年に、大手監査法人を退職している、税理士兼公認会計士

平成21年に、大手監査法人を退職している公認会計士は、JSOXの導入初年度の実務を経験しています。

その意味では、JSOXの基本的なところは把握していることは期待できます。

しかし、当時の「やりすぎ」の知識のまま、ブラッシュアップされていない可能性があります。

JSOXは、制度導入後、金融庁から簡素化の案内も公表されています。実際、日本公認会計士協会のレビューで対応していても、以前であれば不十分と思われる経営者評価文書に基づき監査を実施しても、評価及び監査に、メリハリが効いていれば(こういう抽象的な表現で申し訳ありません)、特段の指摘は受けません。

 

以前、大手監査法人に所属していた当時、上場会社の監査をやってこなかった、公認会計士

これを聞いて、「大手の監査法人に居て、上場会社の監査をしていなかった公認会計士なんているのか??」とビックリされる、上場企業の経理担当者の方もおられるかもしれません。

しかし、今は、監査分野が細分化されており、学校法人の監査などは、それに特化した部署や監査チームが担っていることが多いです。

そのような公認会計士の多くは、職業的専門家として、JSOXの実務をフォローするのが通常なのですが、、、中には、目の前の仕事だけやるという、モチベーションの低い会計士もおり、そのような人は、JSOXやIFRSなどの新しいトピックは、まったく吸収しようとしなくなります。

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