監査業務と並行して、監査法人側が合理化の意識を持っていれば、
監査業務の枠内で、上場企業の経理部の皆さんの作業負荷を減らしていく協議ができます。
いわゆる一体監査を例にしますと、一体監査を実施する過程で、
- JSOXの経営者評価 を削減する、
- JSOXの監査対応 を削減する、
- 従来より実施している財務諸表監査とJSOXの監査の重複部分 を削減する、
を励行していくアクションです。
以上の3つを総称して、「一体監査の省力化」と、勝手にネーミングしております。
時間があれば、多くの会計士が実施可能なことなのだと思います。
しかし、「監査を実施しながら、省力化まで踏み込んで、協議してまとめて進んでいく」までやり切ることを、
毎年励行できている会計士は、それほど多くはいないのではないかと思います。
以前、これをマニュアル化しようと着手したのですが、挫折しました。
個々のテーマ(例 業務プロセスの統制の評価)ごとに、省力化する考え方を書き出してみたのですが、、、どうも抽象論のようなものばかりになってしまって、読み直しても役に立たないものしかできませんでした。
マニュアルにはできないのですが、関与する実務では、正直、割と簡単に、ポコポコと削減ができています。
それができる理由としては、私が、個人的に、
- JSOXの導入時に、監査法人で理論的な検討をする部署で仕事をさせて頂いた、理論的知識
- JSOXの導入後に、実際の多くの企業のJSOXの事例を見聞きさせて頂いた、多様な事例の知識
- 監査法人の交代のケースに複数関与したため、いろいろな監査法人の調書を見る機会に恵まれた、経験的な知識
- 「どこまで削減していいのか?削減できるのか?」を、日本公認会計士協会の品質管理レビュー等でのやりとり等から吸収した、経験
の おかげだと、考えております。
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