上場会社の監査法人の交代、会計監査の実務などを解説しています。

15 虚偽表示の集計は、その年度ごとにリスタートされるのでしょうか?

解説

1     経理担当者にとって気になる?点

監査報告書は毎年、年度ごとに提出されます。このことから、「当期の虚偽表示のトータル金額がとにかくPMより下回ればオッケー、来期はまたゼロから集計されるのだから」と誤解される方が(たまに会計士にも)いらっしゃいます。

2     経理担当者に理解してほしい点

結論から言うと、虚偽表示の集計結果は、原則として翌期以降に繰り越します。(ただし、取引の性格によっては消滅するものもあります。)

 

前期末のタイミングから話を始めますと、監査は前期以前から継続的に実施されていますから、前期以前の虚偽表示が当期に繰り越されてきます。

つまり、前期末の時点で存在している間違いが、期首時点で、当期の決算書に‘含まれている’ことになります。

より正確には、

①    当期に入って自動的に解消されるもの

例 前期末に未計上だった未払費用

②    当期に修正仕訳を実施して解消させるもの

例 売上の先行計上

③    解消させない=当期の決算書にでひきづったままになるもの

例 当期末に未計上だった未払費用

に3分類されます。

 

監査法人のPMを下回った場合、当期の監査意見は無限定適正になりますが、その集計された項目と金額は、原則として翌期に引き継がれていきます。

ちょうど、「法人税の申告書上、別表4で加減算した金額が、別表5に収容されて翌期以降に引き継がれていく」のと、同じ感覚です。

3     念のため補足する点

応用問題として、「当期の監査中に、前期の虚偽表示が発見された場合」は、どう考えればよいのでしょうか?

これも以上と同様で、当期での顛末次第です。

【経理担当者にとって】

虚偽表示の未修正は、基本的に、翌期へ繰り越される。

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