上場会社の監査法人の交代、会計監査の実務などを解説しています。

16 虚偽表示の金額が単純に計算できない項目は、どのようにその金額を推定するのでしょうか?

解説

1     担当者にとって気になる?点

虚偽表示の内容が具体的事実に基づくものであれば、経理担当者も受け入れやすいですが、実務上、虚偽表示の金額が単純に計算できないケースがあります。

真面目な経理担当者としては、監査法人にキチンと説明しなければならないと考えすぎてしまう方もおられますが、そもそもカンタンに計算できないものなのですから、発想を変えて、なるべく手数やコストのかからない方法で済ませるという発想で取り組む必要があります。

2     経理担当者に理解してほしい点

虚偽記載の金額が実際の取引金額に基づく金額で評価できないケースでは、ある程度の推定計算が可能であれば、いわゆる概算を利用します。

以下に例を示します。

仮に棚卸資産の科目が100百万円であり、合計で20百円分だけ主要な項目の実証手続を実施して2百万円の虚偽表示を発見した場合には、その2百万円部分の監査証拠が信憑性があれば、あとは単純に全体に割り返して、

100×(2/20)=10百万円

の虚偽記載があると見做します。

 

以上を見て、経理担当者の中には、「こんな単純な概算でいいのか?」と呆れる方もおられるかもしれませんが、そもそもPMのロジックに照らしても、これ以上の複雑さは求められてはいません。

ですので、経理担当者に置かれましては、このレベル感で監査法人と協議してほしいと思います。

3     念のため補足する点

監査実務上、以上のように単純にいかないケースは、根拠となる金額自体に信憑性が持てない場合です。

例えば、上の在庫の例でも、2百万円の虚偽表示部分が鑑定書の類であり、その鑑定書の信憑性が疑わしい」となると、話は別です。推定計算の根拠がぜい弱だからです。

【経理担当者にとって】

単純に計算できない虚偽表示は、単純な推定計算で試算します。

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