1 経理担当者にとって気になる?点
主査の人が、「今度、JICPA品質管理レビューが来るので大変なんです」という類のことを聞いたことはありませんか?
自社の監査法人の監査のレベルの評価と思いますから、その結果に興味がある方もおられるかもしれません。
2 経理担当者に理解してほしい点
このシリーズは直接には経理担当者を対象しておりますので、必要な範囲で説明します。
JICPA品質管理レビューは原則として3年に1度実施されます。これを本番レビューと呼んだりします。通常、数件以上の改善事項が通常あり、その事項のみ翌年に再レビューを受けるため、監査法人側から言うと、2年連続できて、1年お休み、の繰り返しとも言えます。
JICPAの品質管理レビューと似た制度に、監査審査会による検査というものがあります。ざっくり言うと、JICPA及び公認会計士の監督官庁である金融庁による行政指導です。
この検査の内容に興味があるところと承知していますが、さすがにこのシリーズで詳細に説明することは省略しますが、JICPAの品質管理レビューと比較すると、より多い人員(しかも任期付き公認会計士)を使い、より少ない検査対象を、じっくり詳細に調査する、という印象です。
ですので、これに当たると、監査法人としては殆ど日常の仕事がストップしてしまうような感じになります。
3 念のため補足する点
品質管理レビューの結果は、監査法人の監査の品質を評価する有益な情報であると考えられるため、JICPAは会員(=公認会計士)向けに、品質管理レビューの結果を、クライアントの監査役(会)へ説明することを勧奨しています。
ただし、品質管理レビューでの文書は使わず、口頭やメモで説明するように付言されていますので、該当文書を見せてくれと言っても、監査法人からはやんわり拒否されると思います。
また、従来、品質管理レビューの対象が拡大される予定であることに留意しておく必要があります。
【経理担当者にとって】
監査法人が意識しているのは、監査・審査委員会とJICPA品質管理レビュー