解説
1 経理担当者にとって気になる?点
一昔前までの、PMの概念も一部の大手監査法人でのみ運用されていたときには、いわゆる保守的経理といって、利益が控えめになる方向で経理処理をすることは望ましい(監査上もそれを是認する)という風潮がありました。
しかしPMを意識すると、むしろ正確な金額を計上する方が望ましい気がする気がします。
2 経理担当者に理解してほしい点
結論から言うと、現在は、もし、費用が過少計上であると判断されると、その分は虚偽表示として集計されてしまうことになります。
つまり、保守的経理は特段推奨されておらず、より正確な金額を計上する必要があります。
従来、保守的経理が望ましいという根拠は、その方が分配可能利益を控えめに算出することになるという、講学上の理由が主だったと思います。
しかし、現代の上場会社の会計では、講学上の分配可能利益の合理的な算出は優先課題ではなく、そして、上場会社の決算では監査法人対応が必須であり、監査法人がPMの思考をベースに判断すると分かっているのですから、それに沿う対応が求められます。
3 念のため補足する点
PMの理屈からは以上の通りなのですが、肝心の監査法人の会計士がロートルだと、保守的経理がベターであるという思考のままかもしれません。
【経理担当者にとって】
上場会社の経理では、保守的経理は、今は推奨されません。