上場会社の監査法人の交代、会計監査の実務などを解説しています。

29 「重要性がある子会社」、「(全体としては重要でないものの)特定の科目等のみ重要性がある子会社」、「重要性が乏しい子会社」といった区別は、どのような指標に基づいているのでしょうか?

解説

1     経理担当者にとって気になる?点

別の箇所での説明によって、監査法人は各連結子会社を、「重要性がある子会社」、「(全体としては重要でないものの)特定の科目等のみ重要性がある子会社」、「重要性が乏しい子会社」、とに区別することは了解頂けたと思います。

それでは、どのような基準で各子会社をカテゴライズするのでしょうか?

2     経理担当者に理解してほしい点

結論から言うと、各子会社の個別の財務諸表ベースのPMが、連結財務諸表ベースのPMの15%以上か否かがメルクマールになります。

15%を超過すれば、重要性がある→財務諸表の各科目を監査する必要があります。具体的にはインストラクションを送付したり、直接往査することになります。

15%以下であれば、重要性が無い→財務諸表の各科目を監査することまでは要せず、別のテーマで説明する「分析的手続」で済ませることになります。

 

重要性が無いとした子会社であっても、個別に特殊な取引、例えば見積り金額が多額であったり、企業再編取引が有ったりする子会社は、それに関連する科目だけ監査する必要があります。

つまり、監査的には、15%以上の会社と同じ扱いに「格上げ」されることになります。これを含めて「重要な構成単位」と呼んでいます。

上の15%という数字は、プロフェッショナルジャッジメントで、これより上でも下でも許容されています。

子会社の重要性を区分し、区分に応じた手続きをするのは、大手監査法人の監査マニュアルでは展開されておりましたが、日本の監査の実務の指針にはありませんでした。

3     念のため補足する点

この15%という数字を見て、どう思われるでしょうか?高いでしょうか?低いでしょうか?そもそも単純な数字を適用すること自体、いかがなものでしょうか?

この点、グループ監査を規定した監査基準書では、以下のように明記されています。参考までに引用します。

 「重要な構成単位」に該当するか否かについて、グループに対する個別の財務的重要性を識別する場合、一定の目安として選択した財務指標の15%を超過する構成単位を「重要な構成単位」と考えることがある旨記載した。これに対して、比率をより小さくすべきという意見もあれば、一方で大きくすべきという意見もあったため、ISA600と同様に、やはり何らかの指標を例示した方がよいと考え、~(以下、省略)」

【経理担当者にとって】

重要な子会社とされる基準は、各子会社の個別の財務諸表ベースのPMが、連結財務諸表ベースのPMの15%以上か否かである。

[シリーズ] 「監査上の重要性の基準値」から理解する監査法人対応 Q&A

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