解説
1 経理担当者にとって気になる?点
PMを厳密に適用することは、パス基準以上の金額を網羅的に集計することですから、経理担当者としてはプレッシャーになる面もあります。ですのでその運用の精粗には関心があると思われます。
2 経理担当者に理解してほしい点
PMの運用の程度を検討するためには、まず、PMとセットになる「虚偽表示の集計」が監査調書として作成される仕組みになっていることが必要ですが、これは上場会社を監査する監査法人では基本的に整備されていると考えられます。
上場会社の監査法人は、規模で大別して、ビック4と呼ばれる大手監査法人を頂点に、最小は、個人の公認会計士事務所まで様々ですが、大手監査法人では、メンバーファームの本部から使用が強制される監査マニュアル中のテンプレートに含まれており、それが審査資料に添付することがルール化されており、添付が無い場合には、書類不備で審査をクリアすることができません。
それ以下の規模の監査法人はどうかというと、JICPAから公表されている監査ツールというテンプレートを利用して監査調書を作成していると思いますが、その中に虚偽表示を集計するテンプレートが含まれており、かつ、審査資料に含める体系になっています。
以前の中小監査法人の監査調書の平均レベルを知っている方からは、「おいおい、今は本当に作っているのか?」という声が聞こえてきそうですが、最近は、虚偽表示を集計する監査調書の様式と審査資料の様式が、JICPAによる中小監査法人への業務支援ツールとして提供されていること、それかそれに準ずるものが実際に運用されていることを、JICPAの品質管理レビューでチェックされているので、基本的に運用がなされているはずです。
3 念のため補足する点
PMの運用について、監査業務の運用は、審査制度の厳しさ次第です。その審査の厳しさのベースを揺るがすものは、クライアントから報酬を頂いているという、会計監査制度の根幹にある事情です。
監査法人のトータルの収入のうち、1社の監査クライアントの報酬が占める割合が高いと、監査契約を切られたくないという意識が働いて、監査の判断が甘くなる可能性があります。
JICPAも報酬依存度が高いと監査が甘くなるリスクは承知しており、毎年監査法人から報酬依存度に関する資料を提出させ、当該監査法人のトータルの収入のうち、1社の監査クライアントの報酬が占める割合が15%超の場合には、監査法人の外部の会計士に審査に関与させたり、調書をレビューさせる仕組みを強制していますが、これ以上のアイデアも現状無く、PMを始めとする監査が甘くなっていて後で監査の品質上問題となった事例もあります。
【経理担当者にとって】
ざっくり言うと、以下の通りです。
大手監査法人は、厳密
それ以外は、、、、自粛