上場会社の監査法人の交代、会計監査の実務などを解説しています。

40 監査法人の、一年を通じてのスケジュール感を知っておきたいのですが。。。

1     経理担当者にとって気になる?点

監査対応時、監査法人が、一年を通じて、概ね、こんなスケジュール感で作業をしていると知っておけば、何が優先で、何が後回しでも許容かとの目安がつき、監査対応にも余裕ができると思います。

2     経理担当者に理解してほしい点

監査法人は、一年にいろいろな作業をしております。ですので、それをカレンダーに細かくご説明しても、かえって分かりにくいと思います。そこで、以下では、イメージを持ちやすいよう、かなり単純化してご説明します。

まず、監査法人の新年度は7月から始まります。お盆前後に新年度の「監査計画」を社内で承認してもらい、その前後から新年度の業務が始まります。

業務は「リスクアプローチ」という考え方に沿って勧めます。

リスクアプローチを、実際の手続きの面から説明すると、3月決算会社の場合には、

・8月から3月までの期間(以下、「期中」という)には、PL科目の計上が「正しく計上される仕組み」の妥当性を検証し、

・4月下旬から5月中旬が典型的な時期)には、BS科目の「残高」の妥当性を検証している。

と言えます。

前者を「統制テスト」、後者を「実証テスト」と呼びます。

統制テストは、上場会社の場合、J-SOXの監査と合わせて実施します。

また、実証テストでは、BS科目ごとに、科目内訳表中の各項目の計上の妥当性を検証します。

これらを、時期と合わせて表にすると以下のようになります。

時期 期中(8月~3月) 期末(決算時(4月、5月)
名称 統制テスト (例 売上計上プロセスのキーコントロールの整備・運用上表の監査) 実証テスト (例 売掛金の残高の妥当性の監査)
目的 統制を見る (例 出荷時に所定の統制が整備・運用されているか否かを確かめる。) 金額を見る (例 確認状の回答金額の差異は妥当であるかを確かめる)
監査対象の科目 PL科目 (例 売上) BS科目と派生PL科目 (例 売掛金と売上)

(なお、6月は、上旬に、有価証券報告書の表示検討作業)

上の表はざっくりしたイメージであり、例外はありますこと、申し添えます。

例えば、期末には、PL科目は、一切、何も見ないわけではありません。別のとこで説明します、分析的手続を実施します。

また、上場会社には四半期レビューがあり、その時に期末の有報での開示上も影響のある取引については、期末の先取りで、実証テストをすることもあります。

3     念のため補足する点

シンプルに言うと、以上の通りなのですが、、、実際には、以上に、

・四半期ごとのレビュー

・子会社往査、支社往査

・J-SOX固有の手続き

・決算に向けての課題の対処

・前回までに未了な作業のフォロー

が重層的に加わるため、3月が近づくにつれて、一度の往査でいろいろな作業が同時並行で進められます。

【経理担当者にとって】

監査チームは、期中は統制、期末はBS残高をメインに見ます。

[シリーズ] 「監査上の重要性の基準値」から理解する監査法人対応 Q&A

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