上場会社の監査法人の交代、会計監査の実務などを解説しています。

37 監査のルールが最近変わったと聞きましたが、経理担当者としてどのような点に留意する必要がありますか?

解説

1     経理担当者にとって気になる?点

監査のルールは、最近、大きく衣替えされました(後述)。

もちろん、経理担当者は決算が仕事であり監査が仕事は無いため、これらをわざわざフォローする必要はないのですが、最近は、監査の実務指針で示されている留意点が、会計処理を検討する上でも考慮しておく留意点になるケースもあることから、その類のものに限って、経理担当者側でもキャッチアップしておく必要があります。

2     経理担当者に理解してほしい点

監査基準は、戦後に制定されて以降、不正事件が発生する都度、部分的な改正がなされてきましたが、近時は、これだけでは不足するため、日本公認会計士協会が監査の実務指針を作成・公表しています。

日本の会計基準やそれに対応した監査の実務指針も、日本独自色が残っていたのですが、会計基準の国際的な調和化が進み、それに対応して最近、監査の実務指針も国際監査基準の内容に準拠する体系にシフトしています。

国際会計士連盟の国際監査・保証基準審議会が行うクラリティ・プロジェクトの動向を踏まえ、新起草方針(義務としての手続の明確化など)に基づく監査基準委員会報告書としてとしてシリーズ化されました。

ただし、上の国際化の潮流とは別に、JSOX、不正対応基準など、日本独自の実務に対応する部分は、「新起草方針」の味付けを入れつつも、従来の実務指針が残されています。

3     念のため補足

そのうち、「監査・保証実務委員会(報告)」は6本ありますが、特に以下の3本については、監査法人の審査を通るものを作成するという視点で、理解をしておく必要があります。(注)

1        継続企業の前提に関する開示について(監査・保証実務委員会報告第74号)

2        後発事象に関する監査上の取扱い(監査・保証実務委員会報告第76号)

3        財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い(監査・保証実務委員会報告第82号)

(注)以上に加え、従来は、繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い(監査委員会報告66号)も対象でしたが、これは、企業会計基準適用指針第26号 「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」すなわち会計基準に置き換わったため、上の列挙から外しお手ります。

監査の実務指針は、本来、監査法人のためのもので、経理担当者が直接フォローする必要はないはずです。

しかし監査法人から指摘され得ることを事前に会計処理等に反映するためには、上で紹介しました監査・保証委員会の実務指針の内容は、把握しておく必要があります。

【経理担当者にとって】

最近、監査のルールが変わったことについては、そのこと自体ではなく、監査人のルールの中に、一部に、会計処理を規定する内容を含むものが残っていることに留意すべきです。

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