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デット・エクイティ・スワップの実行時における債権者側の会計処理に関する実務上の取扱い (平成14年10月9日)

解説

1.概要

会社再建の一手法として行われているデット・エクイティ・スワップの実行は、その会計処理も金融商品会計基準及び金融商品実務指針に基づいて行われることとなるが、当該会計処理に関し、ASBJ等への質問が多いものについて、実務上の取扱いを確認したものである。

2.ポイント

債権者がその債権を債務者に現物出資した場合には、債権と債務が同一の債務者に帰属し当該債権は混同により消滅するため、支配うんぬんに関係なく金融資産の消滅の認識要件を満たすものと考えられます(金融商品会計基準第 8 項及び第 9 項)。

したがって、債権者は当該債権の消滅を認識し、かつ、消滅した債権の帳簿価額とその対価としての受取額との差額を、当期の損益として処理することとなる(金融商品会計基準第 11 項)。

なお、デット・エクイティ・スワップ実行時における債権者側の会計処理に関するこの考え方は、債務者側の会計処理にかかわらず適用されることに留意します。

3.参照程度

決算前に、監査法人と協議し、監査法人の回答(=通常、根拠規定が並記される)に、この規定が記載されていたら、監査法人もきちんと検討して結論を出している可能性が高いので、その結論に依拠すればよく、経理担当者がこれを自力で読み解くまでは要せず、せいぜい参照する程度で十分である。

[シリーズ] ひと言ずつ解説!会計監査六法 (2014.7.1時点)

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