上場会社の監査法人の交代、会計監査の実務などを解説しています。

連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針 (平成23年1月12日)

解説
1.概要

すでに紹介済である、「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」の連結版である。

なお、連結納税の論点は、別途、「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」「同取扱い(その2)」で規定されておりますので、そちらを参照下さい。

2.ポイント

税金は、親会社、子会社等の単体ベースに課税されます。そして、連結決算の範囲に含まれる個別財務諸表には、全て税効果会計が適用済です。。。

ということは連結決算上の税効果とは?連結上の税金?と考えると混乱します。

「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」の解説でも触れましたが、経理実務の立場から、税効果の仕訳を考える場合には、繰延法ではなく資産負債法で考えるのが肝要です。

キーワードは、単純で、「将来」の二文字です。将来、なにが起こるか?

連結上の将来減算一時差異を考えると、連結修正仕訳手続の結果として、連結貸借対照表上の資産額(又は負債額)が、連結グループ会社の個別貸借対照表上の資産額(又は負債額)を下回る(上回る)場合に、’’将来’’、当該資産の回収(又は負債の決済)により、当該差額が解消されるときに、、、、連結財務諸表の税金等調整前当期純利益の金額を、当該差額だけ多くさせることになります。

そのため、連結上の将来減算一時差異が発生した期に、税効果を認識し、繰延税金資産を計上し、その期の税金費用を減らしておき、’’将来の’’、将来減算一時差異の解消するであろう期に、当該繰延税金資産を取り崩せば、、、税金費用の期間配分が適正になると、言えます。

そして、ここでも、当然に、繰延税金資産の回収可能性の論点がセットで登場します。。。。いかがでしょうか?

上の2.での、’’将来’’の考え方を会得できると、、、究極的には’’将来’’には、何でも起こるのであるから、連結仕訳の殆どに、税効果仕訳がセットで付いてくる、ということが理解できるのではないだろうか?

3.参照程度

実務上、何度も、参照してほしい実務指針です。

[シリーズ] ひと言ずつ解説!会計監査六法 (2014.7.1時点)

  • facebook
  • twitter
PAGETOP
Copyright © 会計・監査・研究所 All Rights Reserved.