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繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い (平成22年2月19日)

解説

1.概要

旧商法では、旧商法施行規則において、繰延資産として計上することができるものとして、「創立費、開業費、研究費及び開発費、新株発行費等、社債発行費、社債発行差金、建設利息」を列挙していました。

しかし、現会社法では、会社計算規則において、「繰延資産として計上することが適当であると認められるもの」を繰延資産として計上する(74条3項5)としか記載されていません。

したがって、繰延資産となるべきものは、公正な会計慣行の側で定めることになったので、この扱いで規定したものである。

なお、企業会計原則は最終改正が昭和57年のため、旧商法で列挙された繰延資産がそのまま限定列挙されているが、上場企業の決算上は、この論点では、当取扱いの方が優先します。

2.ポイント

繰延資産として計上できるものは、① 株式交付費 、② 社債発行費等(新株予約権の発行に係る費用を含む。) 、③ 創立費 、④ 開業費 、⑤ 開発費 の5つが限定列挙されている。

繰延資産は、精度会計上は、計上「できる」規定であるので、期間損益で吸収できるのであれば、繰延資産として処理するのではなく、当期の費用又は損失として一括処理するのが穏当である。

なお、法人税法上の繰延資産は、これとは別個の、法人税法の事情により設けたものであり、混同してはならない。

(償却方法等の説明は省略)

3.参照程度

会計理論的なトピックではありますが、実務的な重要性はあまりなく、一度だけ目を通しておけば十分と思われます。

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