上場会社の監査法人の交代、会計監査の実務などを解説しています。

財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い (平成24年6月15日)

解説

1.概要

内部統制報告制度での、監査法人による監査上の留意点を規定したものである。

いわゆる実施基準と比べると、いわゆる財務諸表監査と内部統制監査の一体性にフォーカスしている。

2.ポイント

「監査に関する取扱い」と称するように、直接には監査法人の実務を規定するものではありますが、経営者評価をする際にも必須です。

こう言いますと、「え?経営者評価は、いわゆる『実施基準』の、経営者評価の章の内容に従うのではないの?」と疑問に思われる方がおられます。

この点に関し、より正確に言いますと、当取扱いといわゆる実施基準が干渉する箇所は、当取扱いが優先する、というニュアンスです。当時、実施基準の編集に携わった方に、この点をメールで伺ったときに、「JICPAが基準(注 当取扱いのこと)を出した時点で、あとは実務は金融庁ではなくて会計士協会が内部統制関係の実務を作っていくんだから、がんばってね」という返信メールを受信した記憶があります。

また、「え?監査の実務を規定するものは、一連の、「新起草委員会方針による、監査基準委員会報告書」で規定されるところ、これは冒頭の号数のネーミングが違うから、それらとは位置付けが違うのではないのか?」と疑問に思われる方がおられます。

この点に関し、当取扱い、後発事象の監査上の取扱い、ITに係る監査上の扱い等は、日本固有の事情によるものなので、一連の体系の外に置きつつ、引き続き、有効である旨が、前書きに記載されておりますことをご理解下さい。

3.参照程度

内部統制報告制度の現状の実務的な関心は、省力化です。

それには直接には、いわゆるQ&Aがヒントになりますが、その提案を監査法人に認めてもらうためには、当実務上の取扱い上も認められるという説明を監査法人へ示す必要があると思われます。そのようなときには当実務上の取扱いを紐解くことがあるかもしれません。

。。。が、それ以外は、いまや「やっつけ仕事」と化している感も多い内部統制報告制度であり、新しいこと、増減等が無い場合には、今から改めて当実務上の取扱いを参照する必要はないでしょう。

[シリーズ] ひと言ずつ解説!会計監査六法 (2014.7.1時点)

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